病気事典[家庭の医学]
熱がある(発熱)<子ども>
執筆者: 昭和大学横浜市北部病院院長 田口 進
発熱
一般に、「熱がある」という時は、37℃以上を指しますが、学童期以前では37・5℃までは正常な体温といえます。熱が出たら、ほかに何か症状がないかをよく観察します。乳幼児では、とくに機嫌、哺乳力、顔色、呼吸の様子など。年長児では、訴えによってある程度はわかりますが、呼吸困難や嘔吐、下痢などに気をつけます。
子どもの症状で救急車を呼ぶような事態は意外に少ないのですが、乳幼児では様子がわからないことも多いので、次のような場合には急いで医師の判断を仰ぎましょう。
- (1)生後2カ月未満の赤ちゃんの発熱
- (2)呼吸が苦しそうでミルクが十分に飲めない
- (3)とろとろ眠ってばかりいて反応が鈍い
- (4)繰り返し吐いている
- (5)けいれんを起こした
- (6)唇が紫色になる(チアノーゼ)
熱があっても機嫌がよく、食欲も普通なら、多くの場合、心配ありません。
発熱から考えられる主な病気
主な症状と、付随する症状から、疑われる病気を調べることができます。
病気名を選択すると、その病気の解説へ遷移します。
症状 | 疑われる病気名 | |
---|---|---|
くしゃみ・鼻みず・鼻づまり・咽頭痛(上気道炎症状)、咳、痰、全身倦怠感・頭痛などの全身症状はあっても軽いことが多い | かぜ症候群 | |
高熱、全身倦怠感、頭痛、腹痛、下痢、嘔吐、咳、咽頭痛、関節痛、筋肉痛 | インフルエンザ | |
頭痛、全身倦怠感、咽頭痛、腹痛、嘔吐、頸部リンパ節のはれ・痛み | 急性扁桃炎 | |
6歳以下、かぜ様症状、けいれん、片麻痺 | 急性小児片麻痺 | |
頭痛、嘔吐、けいれん、髄膜刺激症状(首を前に曲げると痛む) | 髄膜炎 | |
意識障害 | 脳炎 | |
生後6カ月~5歳以下、通常数分以内の意識消失・全身のつっぱり・四肢のけいれん | 熱性けいれん | |
かぜ様症状、嘔吐、下痢、腹痛、関節痛、胸痛、むくみ、動悸、四肢の冷感、呼吸困難 | 心筋炎 | |
全身倦怠感、上腕・首の筋力低下、眼の周囲・手指の関節の皮膚が紫赤色 | 多発性筋炎 | |
疲れやすい、食欲不振、黄疸、皮疹 | ウイルス性肝炎 | |
腹痛、嘔吐 | 血便、下痢、血尿、関節痛、意識障害 | 細菌性急性胃腸炎 |
上腹部痛から強い右下腹部痛へ | 急性虫垂炎 | |
生後6カ月~2歳に多い、耳痛、耳だれ、耳閉感、難聴 | 急性中耳炎 | |
全身倦怠感、息切れ、出血しやすい・とまりにくい、リンパ節・歯肉などのはれ | 白血病 | |
関節の痛み | 全身倦怠感、お乳の飲みが悪い、おむつの交換時に激しく泣く | 化膿性関節炎 |
動悸、胸苦しい、手足の無意識な異常な動き、発疹 | リウマチ熱 | |
発疹、リンパ節のはれ、虹彩炎(眼痛、まぶしい、飛蚊症など) | 若年性特発性関節炎 | |
主に4歳以下、両眼の充血、舌がイチゴ様、発疹、四肢末端のはれ、首のリンパ節のはれ | 川崎病 | |
新生児、発熱または低体温、呼吸数の増加、四肢の冷感、哺乳量の減少、元気がない | 新生児敗血症 | |
その他 | 咳のチャート 、 腹痛のチャート 、 下痢のチャート 、 便秘のチャート 、 感染症のチャート |
- [ご利用上の注意]
- 一般的な医学知識の情報を提供するもので、皆様の症状に関する個別の診断を行うものではありません。気になる症状のある方は、医療機関にご相談ください。
都道府県から病院をさがす
診療科目から病院をさがす
整形外科系
外科系