病気事典[家庭の医学]

はれている

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はれ

「はれる」というのは、皮膚のある部分が異常にふくらむことをいいます。皮膚以外でも、体内の臓器やリンパ節などの腫脹(しゅちょう)も広い意味でははれに入ります。

はれから考えられる主な病気

主な症状と、付随する症状から、疑われる病気を調べることができます。
病気名を選択すると、その病気の解説へ遷移します。

症状 疑われる病気名
顔面 顔とくに頬・耳・眼の周囲、手足がはれる 丹毒
頬がはれる 乾酪性上顎洞炎 上顎洞がん
歯ぐき 歯ぐきが赤くはれ、出血する 歯周病 白血病 歯肉がん
耳の下から首にかけてはれる 耳下腺炎 唾石症 ミクリッツ病
首の前面部がはれる 甲状腺腫瘍 甲状腺機能亢進症 亜急性甲状腺炎
首のリンパ節がはれる 鼻・のど・口などの炎症、 川崎病 咽頭がん 肺がん 肺サルコイドーシス 悪性リンパ腫
乳房 赤くなってはれ上がり、痛む 急性化膿性乳腺炎
性器 陰嚢が全体的にはれる 急性精巣上体炎 精巣腫瘍 陰嚢水腫
腹水、黄疸 肝硬変
外陰部がはれて、むくみ、強く痛む 感染性外陰皮膚炎 腟カンジダ症
関節・骨 全身の関節がこわばり、痛み、はれる 関節リウマチ
足の親指のつけ根の痛み、はれで始まる 痛風
膝・足の関節が痛み、はれる 変形性膝関節症 変形性足関節症
股、膝などの関節が痛み、はれる 結核性関節炎
太ももや上腕などの骨が痛み、はれる 化膿性骨髄炎
下肢 下肢がむくみ、はれて、痛む 血栓性静脈炎
多くは下肢のむくみ・はれ、腹水 肝硬変
その他 毛嚢炎 脂肪腫 、悪性腫瘍など
[ご利用上の注意]
一般的な医学知識の情報を提供するもので、皆様の症状に関する個別の診断を行うものではありません。気になる症状のある方は、医療機関にご相談ください。

はれている

はれを起こす原因にはさまざまありますが、日常、最もよくみかけるのは炎症によるものです。切り傷や刺し傷などの外傷による細菌感染、炎症を伴う皮膚障害、虫刺されや日焼け、薬かぶれなど。そのほか腫瘍(しゅよう)ができたり、血液やリンパ液がたまり、うっ滞(たい)を起こしたりするとはれてきます。

皮膚の症状としてのはれは、たいていの場合は一過性の炎症で、皮膚科で適切な治療を受ければ心配ないものです。しかし、なかにはがんなどの存在を示しているはれもあるので注意が必要です。

リンパ節は直径1mmから2cmくらいの大きさで、全身に約500~600個散らばっています。ウイルスや細菌による感染症など多くの原因ではれてきますが、とくに注意したいのが悪性リンパ腫やがんによるもの。悪性リンパ腫では全身のどのリンパ節でもはれますが、とくに首や腋(わき)の下、足の付け根の部分のリンパ節のはれが直接触れて確認できる場所です。一般に、はれているリンパ節を圧(お)しても痛みのない場合が多いのですが、急にはれが大きくなったときには痛みを伴うことがあります。

関節のはれで代表的な病気は関節リウマチ。関節炎(はれ)は、最初は手首や指の関節に起こる傾向があり、進行すると大きな関節に及び、ほぼ全身の関節に現れることもあります。関節リウマチは女性に多く発症し、男性の約5倍くらいです。

よく似たものに痛風がありますが、こちらは90%以上が男性に発症します。背景に高尿酸血症があり、初めて発症する人の約70%は足の親指の付け根の関節がはれて赤くなり、激痛が起こります。

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