病気事典[家庭の医学]

いしきのうむのかんさつ

(1)意識の有無の観察

(1)意識の有無の観察について解説します。

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意識の有無の観察手順

倒れている人を見かけたら、まず、耳の近くで「もしもし」とか「大丈夫ですか」などと呼びかけながら、肩や頬を軽くたたいたり、皮膚を軽くつねって、意識の有無を観察します。

その際、体を強くゆするなど、決して乱暴に行わないようにします。

意識がない時

反応がない、反応が非常に鈍い時は「意識がない」と判断して、すぐに周囲の人に協力を求め、119番への通報とAEDをもってきてもらうことを依頼します。周囲に協力者がいない場合は、自分で119番通報して、近くにAEDのある場所を知っていたら、大至急取りに行きます。(救急車の呼び方:119番への通報手順)

ただし、傷病者が乳児(1歳未満)や小児(1歳以上~8歳未満)の場合は、まず胸骨圧迫(後述)を2分間行ってから119番通報・AEDの手配をします(AEDを使用できる年齢は1歳以上)。

119番通報・AEDの手配をしたら気道の確保を行います。気道の確保はあお向けで行うので、うつ伏せに倒れていたら図1の方法で体位を変換します。

図1 体位の変換のしかた

病気事典の図表 片手で後頭部とうなじを支え、もう一方の手をわきの下に入れ、体をねじらないようにして、あお向け(仰臥位)にする。

意識がある時

呼びかけに答えられる時は図2の回復体位にして、落ち着いて出血やそのほかの症状・状態に対する手当を行います。

図2 回復体位

病気事典の図表 下あごを前に出し、両肘を曲げて上側の手をあごの下にあてがい、後ろに倒れないようにする。
口のなかに吐物などが見えたら、反応のある傷病者の場合では吐き出すように指示する。特別な異物の除去は行わない。
反応がなく、正常な呼吸がなくなれば心肺蘇生法の手順を実施する。

心肺蘇生法の基本的な手順

  1. (1)意識の有無の観察
  2. (2)気道の確保
  3. (3)正常な呼吸の有無を確認
  4. (4)胸骨圧迫
  5. (5)AEDの使用

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