病気事典[家庭の医学]

しゅようまーかーのけんさ

腫瘍マーカーの検査

腫瘍マーカーの検査について解説します。

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 医療機関で受ける血液一般検査をまとめました。基準値は、医療機関によって若干、異なることがあります。

検査項目と基準値一覧

検査項目 基準値 疑われる主な病気など
AFP 10ng/mL 以下
(EIA法)
高値 →肝細胞がん、その他のがん、肝硬変、劇症肝炎、慢性肝炎、妊娠、先天性胆道閉鎖症
CEA 2.5ng/mL 以下
(RIA法)
5ng/mL 以下
(EIA法)
高値 →がん(大腸、膵臓、胆嚢、肺、子宮、卵巣、肝臓、胃など)、糖尿病、高齢者、喫煙
CA19–9 37U/mL 以下
(EIA法)
高値 →がん(膵臓、胆道、胆嚢、大腸、胃、肝臓)、膵炎、膵嚢胞、胆石
PSA
(前立腺特異抗原)
4.0ng/mL
<年齢別設定>
  年齢  カットオフ値
 49歳以下:2.5ng/mL
 50歳代 :3.5
 60歳代 :4.5
 70歳代 :5.5
 *4.0~10.0ng/mL がグレイゾーン
高値 →前立腺がん、前立腺肥大症
(注)
<基準値>とは、スクリーニング(ふるい分け)検査によって異常を検出するための判定基準で、病気を診断するための基準ではない。一方、<カットオフ値>とは異常の有無を判定するための検査の判定値。
肺がんマーカー <カットオフ値>  
・シフラ 3.5ng/mL
(EIA法)
高値
(1)肺がん:扁平上皮がん>腺がん、小細胞がん
(2)その他のがん:食道がん、咽頭がん、膀胱がん、子宮頸がん、胃がん、大腸がん、膵がん、前立腺がん
(3)良性呼吸器疾患:咽頭炎、気管支炎、肺炎、肺結核
(4)その他の良性疾患:胃潰瘍、皮膚疾患、慢性肝炎、腎不全
・SCC 1.5ng/mL
(EIA法)
高値
(1)肺がん:扁平上皮がん>腺がん、小細胞がん
(2)その他のがん:子宮頸がん、頭頸部がん、食道がん、皮膚がん
(3)良性疾患:呼吸器疾患、婦人科疾患、頭頸部疾患、消化器疾患
・NSE 10ng/mL 高値
(1)肺がん:小細胞がん>扁平上皮がん、腺がん
(2)神経内分泌腫瘍:神経芽細胞腫、インスリノーマ、甲状腺髄様がん
(3)膵がん:膵島がん
・ProGRP 46pg/mL 高値
(1)肺がん:小細胞がん
(2)腎不全
・SLX 38U/mL 高値
(1)肺がん:腺がん>小細胞がん、扁平上皮がん
(2)呼吸器良性疾患:細気管支炎、肺線維症、気管支拡張症、肺結核

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