病気事典[家庭の医学]
にょう・べんのけんさ
尿・便の検査
尿・便の検査について解説します。
執筆者:
昭和大学医学部医学教育推進室教授
高木 康
医療機関で受ける血液一般検査をまとめました。基準値は、医療機関によって若干、異なることがあります。
検査項目と基準値一覧
検査項目 | 基準値 | 疑われる主な病気など |
---|---|---|
尿蛋白 | 陰性(–) |
陽性
・腎前性:骨髄腫、溶血性貧血、薬物の影響 ・腎性:糸球体疾患(糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症など) ・腎後性:尿路系の結石、腫瘍、炎症 |
尿糖 | 陰性(–) | 陽性 →糖尿病、内分泌疾患(クッシング症候群、甲状腺機能亢進症など)、肝疾患(とくに慢性肝炎、肝硬変)、膵炎、膵臓がん、腎性糖尿、妊娠、薬剤の影響 |
尿沈渣 |
<赤血球>
:3個以内/1視野 <白血球> :2個以内/1視野 <上皮細胞> :少数/1視野 <円柱> :0/1視野 |
赤血球増加
→急性糸球体腎炎、腎盂腎炎、腎腫瘍、膀胱腫瘍、尿路結石、膀胱炎
白血球増加 →腎盂腎炎、膀胱炎 円柱 →糸球体腎炎、腎盂腎炎、ネフローゼ症候群 上皮細胞 →腎・尿路系の炎症 結晶 →尿酸(腎結石、痛風)、シスチン(シスチン尿症)、チロジン・ロイシン(重症肝障害) 細菌 →腎・尿路系の細菌感染症 |
尿ビリルビン | 陰性(–) | 陽性 →急性肝炎、劇症肝炎、肝硬変、薬剤性肝障害、アルコール性肝障害、肝内胆汁うっ滞、閉塞性黄疸 |
尿ウロビリノゲン | 弱陽性(±) |
陽性
→急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、アルコール性肝障害、薬剤性肝障害、溶血性貧血
陰性 →肝内胆汁うっ滞、閉塞性黄疸、抗生物質投与 |
便潜血反応 | 陰性(–) | 陽性 →食道静脈瘤、食道がん、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、大腸憩室炎、寄生虫、肝胆道疾患、膵臓がん |
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