病気事典[家庭の医学]
どうぶつこうしょう
動物咬傷
動物咬傷について解説します。
執筆者:
大阪府立急性期・総合医療センター副院長
吉岡敏治
どんな外傷か
哺乳類によって咬(か)まれた創(そう)(傷のこと)をいいます。イヌやヒトの口腔内は雑菌が多数存在し、また唾液などの消化酵素を含んでいるため、組織の融解(ゆうかい)・壊死(えし)や感染の合併が非常に多く起こります。
最も多いのがイヌによるものですが、咬む力が強いので、組織の挫滅(ざめつ)を伴います。狩猟犬や闘犬など気性の荒いイヌでは、死亡することもあります。ネコは牙が細くて鋭いため、傷は小さくても奥深く突き立てられるので感染が多く起こります。ヒトの口腔の細菌数はイヌ・ネコよりも多く、ヒトによる咬傷は感染が多いとされています。
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