病気事典[家庭の医学]
がいじどういぶつ
外耳道異物<外傷>
外耳道異物<外傷>について解説します。
執筆者:
慶應義塾大学名誉教授 神﨑 仁
治療の方法
異物除去の際の問題は、外耳道や鼓膜を傷つけないことです。そのためには、異物の外耳道内での位置や小児が協力的かどうか、異物を取り出す道具がそろっているかどうかなどが関係します。
(1)洗浄
耳洗用水銃あるいはディスポーザブルの50ml用注射器の先端に2㎝くらいのネラトンカテーテルを装着して行います。水の温度は体温と同じにしないと、めまいが起こります。
(2)異物鈎(こう)や鉗子(かんし)での摘出
顕微鏡下に先端がフックのように曲がった鈎を、鼓膜を傷つけないように異物の鼓膜側に挿入し、異物を外に引き出すようにします。あるいは鉗子でつかめるような異物であれば、これを用いてもよいでしょう。
(3)吸引管による摘出
細い吸引管で異物を吸い付けて、取り出します。
(4)昆虫の場合
まず4%か8%のリドカインを噴霧し、次いでオリーブ油やアルコールを注入して昆虫を動かないようにし、そのうえで前述の洗浄、吸引、鉗子、異物鈎のいずれかを用います。
応急処置はどうするか
昆虫などが耳のなかで動いて痛みがある時は、応急処置としてウイスキーかブランデーを、体温ぐらいに温めてから耳に注入してもよいでしょう。
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