病気事典[家庭の医学]
がいじどうそんしょう
外耳道損傷
外耳道損傷について解説します。
執筆者:
慶應義塾大学名誉教授 神﨑 仁
症状の現れ方
耳からの出血、耳痛、外傷部位に感染が起これば、耳漏(じろう)、難聴、耳鳴りなどが生じます。
外耳道のみの損傷に加えて鼓膜(こまく)の損傷、耳小骨(じしょうこつ)の連鎖の障害が起これば、軽度~中等度の難聴、耳鳴りが生じます。まれに内耳障害が起これば、めまい、難聴、耳鳴り、顔面神経麻痺も起こることがあります。
検査と診断
外耳道、鼓膜をオトスコープ、顕微鏡で詳しくみることで診断できます。鼓膜に孔(あな)があいていれば聴力検査を行い、障害が中耳のみなのか、内耳に及んでいるのかを判断します。鼓膜穿孔(せんこう)(孔(あな)があくこと)に加えて、めまいがあれば外リンパ瘻(アブミ骨の周囲や正円窓という内耳と境する膜から蝸牛の外リンパ液がもれること)や側頭骨骨折を疑って、眼振検査、足踏み検査、CT検査などを行います。
治療の方法
外耳道のみの損傷では抗生剤の点耳薬や内服、炎症で外耳道がはれていれば抗生剤軟膏のついたタンポンを挿入します。鼓膜に穿孔を伴う場合は、別項(鼓膜損傷)を参照してください。
予防の方法
耳掃除をやりすぎないようにすることです。できれば耳掃除はしないで、耳がふさがっている感じのある時や聞こえが悪い時は、耳鼻咽喉科を受診してください。
日本人には外国人と比べて「やに耳」といって松やにのような耳あかの人は少ないのですが、このような人は定期的に耳鼻科で耳掃除をしてもらうのがよいでしょう。
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