病気事典[家庭の医学]
じかいけっしゅ
耳介血腫<外傷>
耳介血腫<外傷>について解説します。
執筆者:
慶應義塾大学名誉教授 神﨑 仁
どんな外傷か
耳への圧迫などの刺激が繰り返されて起こります。皮下または軟骨膜下の出血が起こり、血腫をつくります。初期には耳介(じかい)(耳殻(じかく))の皮膚が軟らかくふくれあがり波動があります。
症状の現れ方と診断
耳介前面の上半分に青赤色の球形の腫瘤(しゅりゅう)が急に発生します。内容は初期には血性で、のちには黄色透明な液状になります。
病歴と視診で、診断は容易です。
治療の方法
穿刺(せんし)(針を刺す)、吸引により血液を除去できますが、圧迫しておかないと再発します。圧迫の方法は、耳介の凹凸に合わせてガーゼタンポンを当て、接着剤で固定し、軟骨をとおして糸をかけ耳介両面に圧迫タンポンを縫いつけます。
最近、穿刺により血腫内容を吸引したのち、血腫内に入れた外套(二重になっている穿刺針の外側のみ)を2週間そのままにして、再び血腫がたまるのを防ぐ方法が報告されており、有用です。
手術的に血腫を除去する場合に、耳介の後面に切開を入れて、軟骨を除去して前面の血腫を除く方法は、傷が目立たないため推奨できます。
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