病気事典[家庭の医学]

かぞくせいにゅうがん・らんそうがん

家族性乳がん・卵巣がん

家族性乳がん・卵巣がんについて解説します。

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どんな病気か

常染色体優性(じょうせんしょくたいゆうせい)遺伝する乳がん卵巣がんです。乳がん・卵巣がんの発症年齢は平均44歳と、非遺伝性のものより若く、日本人では全乳がんの5~10%が家族性乳がんといわれています。

原因は何か

主な原因遺伝子が2つ見つかっています。BRCA1とBRCA2です。

検査と診断

家系から遺伝性の疑われる乳がんの患者さんに遺伝子変異の見つかる割合は、BRCA1で20%、BRCA2で20%です。未知の遺伝子変異があり研究段階です。

男性の両側乳がんの患者さんでは、BRCA2に遺伝子変異が見つかることがあります。

治療と管理方針

遺伝子検査により、BRCA1変異があれば卵巣がんのリスクがありますが、BRCA2変異であれば、そのリスクはやや低いといえます。発症前遺伝子診断の適切な年齢は20歳以上です。欧米では予防的乳房切除が考慮されますが、日本では一般的ではありません。

遺伝子変異が見つかった人、あるいは家系内でリスクが高いと考えられる人については、20代から乳がん、30代から卵巣がんに対する検診を6カ月に一度受けることをおすすめします。

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