病気事典[家庭の医学]

にょうそさいくるたいしゃいじょうしょう

尿素サイクル代謝異常症

尿素サイクル代謝異常症について解説します。

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どんな病気か

体内で発生したアンモニアは、肝臓の尿素サイクルといわれる一連の代謝反応によって尿素に合成され、解毒されます。この尿素サイクルの酵素異常によって高アンモニア血症が生じます。

症状の現れ方

出生後数日以内に発症する新生児型では、嘔吐、過呼吸、筋緊張低下、けいれん、嗜眠(しみん)(眠ったような状態)が現れます。遅発型では、生後数カ月から幼児期に高蛋白食の摂取や感染を契機に発症します。

治療の方法

高いアンモニア濃度は脳に対する障害性が強く、急性発作時にはすみやかにアンモニアを下げるために血液(濾過(ろか))透析(とうせき)が必要になります。症状がおさまっている時期には低蛋白食、アンモニアを解毒する薬剤やアルギニンの投与を行います。

また、酵素そのものを補充する方法として肝移植も行われています。

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