病気事典[家庭の医学]

こうさんきゅうせいきんまくえん

好酸球性筋膜炎

好酸球性筋膜炎について解説します。

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好酸球性筋膜炎の解説(コラム)

 前腕、下肢がびまん性に腫脹(しゅちょう)し、皮膚が硬くなる病気で、末梢(まっしょう)血中に好酸球が増加する場合があります。最近は、必ずしも血液や病変組織で好酸球が増えてないことから、「びまん性筋膜炎」と呼ばれるほうが一般的です。激しい筋肉運動を契機に発症することがあります。

 強皮症(きょうひしょう)と異なり、手指の皮膚硬化がなく、レイノー現象や内臓病変を認めません。皮下組織が硬くなるため、皮膚表面がオレンジの皮のようにデコボコしたり、血管の走行に一致して皮膚が凹む特徴的な外観を示します。手首や足首の関節の動きも高率に制限されます。

 確定診断には皮下組織や筋膜を含めた皮膚生検が必要ですが、最近はMRI検査の有用性が示されています。治療には副腎皮質ステロイド薬(プレドニン)が効果を示しますが、タイミングが遅れると皮膚や関節の病変が後遺症として残ってしまいます。

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