病気事典[家庭の医学]

おうむびょう

オウム病<感染症>

オウム病<感染症>について解説します。

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どんな感染症か

オウム病は、鳥がもっている細菌、オウム病クラミジアによる感染症です。一見健康な鳥でも数%は保菌していて、ストレスや病気で体調を崩すと、糞便や唾液中に菌を排出し感染源となります。排泄したクラミジアをほこりとともに吸入したり、口移しの餌やりで感染することもあります。ヒトからヒトに感染することはほとんどありません。年間40例程度の報告があります。

症状の現れ方

感染後1~2週間の潜伏期ののち、突然の高熱(39℃以上)や咳(せき)で発症します。インフルエンザ様の症状や気管支炎肺炎などの呼吸器症状や、頭痛、全身倦怠感(けんたいかん)、筋肉痛、関節痛、比較的徐脈(じょみゃく)などがみられます。治療が遅れると、髄膜炎(ずいまくえん)、多臓器障害、ショック症状を起こして死亡することもあります。

検査と診断

白血球数は正常で、肝機能障害などを示すことが多く、特異的検査としてのどから病原体を検出したり、血清抗体価の上昇を認めた場合に、オウム病と確定診断されます。早期診断に結びつくポイントとして、鳥を飼っている人は、発熱、咳で受診した時には、医師に鳥の飼育のことを申告することが重要です。

治療・予防の方法

クラミジアに有効な抗菌薬で早期に治療をすれば経過は良好ですが、重症肺炎や合併症のある場合は入院して全身管理をします。予防は日常の鳥の健康管理と、鳥かごの掃除をする時にほこりを吸い込まないように気をつけて、掃除のあとは手洗いをします。

病気に気づいたらどうする

治療の遅れは合併症・続発症を引き起こすため、ただちに受診します。必ず医師に鳥の飼育のことを申告します。病鳥は獣医師に相談すれば治療可能なので、放したり処分しないようにします。

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