病気事典[家庭の医学]

かぽじすいとうようほっしんしょう

カポジ水痘様発疹症

カポジ水痘様発疹症について解説します。

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どんな病気か

アトピー性皮膚炎、ダリエ病などの既存の皮膚疾患を背景に発症する重症型の単純ヘルペスウイルス皮膚感染症です。

原因は何か

基礎疾患としてのアトピー性皮膚炎などの存在、皮膚のバリア機能の低下と局所の免疫反応の抑制状態などを背景に、単純ヘルペスウイルス(HSV)の増殖と感染の拡大が抑えられず重症化します。

HSV‐1型の初感染によって発症することが最も多いのですが、再発によることもあり、まれにはHSV‐2型やコクサッキーウイルスの感染でも起こります。

症状の現れ方

突然の発熱とともに多くは顔面、体幹に小水疱が多発し、拡大していきます。

検査と診断

臨床症状から診断します。水痘(すいとう)や他の病気との区別を要する場合には、一般の単純疱疹(たんじゅんほうしん)と同様の検査を行います。

治療の方法

HSVによるものは、抗ウイルス薬のアシクロビル(ゾビラックス)などに対する感受性がよいので、内服治療によって十分な効果が得られます。重症の場合は入院し、輸液などを行いながら抗ウイルス薬の点滴静脈注射を行います。

病気に気づいたらどうする

重症のHSV感染症であり、また発熱などの全身症状を伴うため、ただちに医療機関を受診してください。再発の予防には、基礎疾患となるアトピー性皮膚炎などの適切な管理が重要です。

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