病気事典[家庭の医学]
たいぶはくせん(ぜにたむし)
体部白癬(ゼニたむし)
体部白癬(ゼニたむし)について解説します。
執筆者:
済生会川口総合病院皮膚科部長 加藤卓朗
どんな病気か
手足、股部を除いた皮膚に生じる白癬菌(はくせんきん)感染症で、頻度は全白癬患者の7%程度です。
足(あし)白癬のある人に発症することが多いので、その放置が問題になります。また不潔、多汗などの皮膚の問題、あるいは肥満、寝たきり、基礎疾患などの全身状態も関係します。
症状の現れ方
体部白癬で多いのは、中心部が軽快して褐色調になる環状の大きな紅斑で、辺縁が少し隆起して水疱(すいほう)や丘疹(きゅうしん)がみられます。また、動物からうつりやすいミクロスポルム・カーニス(犬小胞子菌)や格闘技の選手に広がっているトリコフィートン・トンスランス(トンスランス菌)が原因の場合は、接触部位に境界が鮮明な紅斑が多発します。さらにステロイド薬の誤用により、中心治癒傾向のない二重、三重の紅斑や毛包炎(もうほうえん)などを示すことがあります。かゆみは強いことが多いようです。
病気に気づいたらどうする
湿疹など他の皮膚病との区別が重要なので、皮膚科専門医を受診してください。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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