病気事典[家庭の医学]
じんじょうせいもうそう(かみそりまけ)
尋常性毛瘡(かみそり負け)
尋常性毛瘡(かみそり負け)について解説します。
執筆者:
香川県立中央病院皮膚科主任部長
多田讓治
原因は何か
主として黄色ブドウ球菌、次いで表皮ブドウ球菌によります。ひげそりによる非常に小さな傷に菌が侵入して起こります。鼻腔のブドウ球菌が感染するともいわれています。糖尿病などの基礎疾患がある場合に起こりやすくなります。
症状の現れ方
青壮年男性の口ひげ、あごひげ、頬ひげなど、硬いひげの毛包に一致して赤い丘疹(きゅうしん)や膿疱(のうほう)が多発して(図42)、痂皮(かひ)(かさぶた)がつきやすくなり、触れると軽い痛みがあります。これらが次々に生じて一進一退を繰り返します。
検査と診断
膿疱から黄色ブドウ球菌あるいは表皮ブドウ球菌が検出されます。細菌ではなく、カビ(白癬菌(はくせんきん)やカンジダ)がついて起こっている場合は、白癬性毛瘡・カンジダ性毛瘡と呼ばれ、症状は似ていますが、それぞれ白癬菌・カンジダが検出されます。
治療の方法
カミソリによるひげそりをやめ、ハサミで短く切るようにします。電気カミソリを使う場合でも間隔をあけます。毛包炎に準じて抗菌薬を内服します。また、抗生剤の軟膏を塗布します。
病気に気づいたらどうする
ひげそり後に毛包炎が出るようであれば、早めに適切な治療を受けましょう。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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