病気事典[家庭の医学]
こんごうせいけつごうそしきびょう
混合性結合組織病<皮膚の病気>
混合性結合組織病<皮膚の病気>について解説します。
執筆者:
聖路加国際病院皮膚科部長
衛藤 光
どんな病気か
シャープにより1972年に提唱された疾患概念で、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、および多発性筋炎の部分症状を同時にもつ膠原病(こうげんびょう)です。血液検査では抗U1‐RNP抗体が高値陽性で、ほかの自己抗体が陰性であることを特徴とします。肺高血圧症を伴う場合は、治療に抵抗して重篤となることがあります。
原因は不明です。
症状の現れ方
レイノー症状と手指のソーセージ様の腫脹(しゅちょう)(はれ)が初発症状として特徴的です。手の腫脹は強皮症のような皮膚硬化には進行しないで、長期間はれた状態が持続します。それに加えて全身性エリテマトーデス(SLE)に類似した紅斑、多関節炎、筋炎を伴います。
約30%に間質性(かんしつせい)肺炎、約5%に肺高血圧症を伴います。動悸(どうき)、息切れ、労作時(ろうさじ)の呼吸困難がある場合は注意が必要です。
検査と診断
皮膚生検、血液検査、胸部X線検査、肺拡散能、胸部CTが必要です。血液では抗U1‐RNP抗体の高値と、ほかの自己抗体の陰性もしくは低値が特徴的です。肺高血圧症の診断には超音波ドップラー法が有用です。
治療の方法
SLEに準じてステロイド内服療法を行います。肺高血圧には、軽症例ではプロスタグランジン製剤が、重症例ではボセンタン(トラクリア)やシルデナフィルクエン酸塩(レバチオ)が有効です。
関連項目
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
|
執筆者一覧
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。