病気事典[家庭の医学]

もうこうせいこうしょくひこうしん

毛孔性紅色粃糠疹

毛孔性紅色粃糠疹について解説します。

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どんな病気か

毛穴に一致して白っぽい垢(あか)を伴う赤い発疹が現れ、長期になると発疹がくっついて乾癬様(かんせんよう)になる病気です。若年型と成人型があります。

原因は何か

原因はいまだはっきりとしていません。若年型は遺伝傾向があり、常染色体優性遺伝(じょうせんしょくたいゆうせいいでん)が考えられています。

症状の現れ方

手指背、膝、肘、腹部などに、一つ一つは粟粒(ぞくりゅう)ほどの大きさで毛穴に一致した赤く硬い小隆起が現れます。白っぽい垢を伴い、一部はくっついて乾癬様になります(図31)。手のひら、足の裏が赤く、がさがさし、垢の層が厚ぼったくなります。

重症になるとすべての発疹がつながり、全身真っ赤になる紅皮症(こうひしょう)といわれる状態になり、発熱や関節痛も起こるようになります。

検査と診断

乾癬などと同じように、診断は特徴的な発疹とその分布、経過から判断します。乾癬と区別するため確定診断には、発疹の一部を切って顕微鏡で調べる組織検査を行います。

治療の方法

外用薬には、ステロイド薬が多く用いられています。そのほか、活性型ビタミンD3外用薬も使用され、一定の効果が得られています。がさがさがひどい時は、角質溶解薬(尿素(にょうそ)軟膏)なども併せて使用します。

重症の場合は、ビタミンA類似物質の内服薬であるレチノイド(チガソン)を用います。ビタミンAの多量の内服が効くこともあります。治りにくい場合は光線療法(PUVA療法)も行われています。

病気に気づいたらどうする

皮膚科専門医のいる医療機関を受診し、診断と治療を受けたほうがよいでしょう。重症の場合には入院治療を行うこともあります。

関連項目

炎症性の角化症の全項目

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