病気事典[家庭の医学]
しょうせきかくかしょう
掌蹠角化症
掌蹠角化症について解説します。
執筆者:
香川大学医学部皮膚科准教授
米田耕造
どんな病気か
掌蹠(手のひらと足の裏)の過角化(かかくか)を主症状とする疾患群です。掌蹠角化症には、先天性素因によって生じる先天性掌蹠角化症と、後天性掌蹠角化症があります。しかし、この両者を臨床所見のみで区別することは困難なことが多く、区別するには発症年齢、家族の病歴、職業歴、詳細な臨床所見の観察などが必要になります。
一般に、掌蹠角化症という場合は先天性のものを指します。代表的な掌蹠角化症の分類を表1に示しました。
検査と診断
病変部位の病理組織学的検査では、フェルネル型では掌蹠の皮膚に顆粒(かりゅう)変性が認められます。亜型(あけい)ボーウィンケル症候群の表皮では、角層細胞に核が残っています。
ヒ素角化症、進行性手掌角皮症(しゅしょうかくひしょう)、毛孔性紅色粃糠疹(もうこうせいこうしょくひこうしん)、更年期(こうねんき)角化症などとの区別も重要です。
治療の方法
(1)10%サリチル酸ワセリンを1日2~3回患部に塗り、鱗屑(りんせつ)の除去に努めます。
(2)レチノイド(チガソン10㎎)4カプセルを2回に分けて服用します。
(3)角質を物理的に削ります。
(4)手指の絞扼輪(こうやくりん)や掌蹠の角質肥厚に対しては、外科的治療(植皮)を行うか否か考慮します。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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