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小児急性白血病 病気事典[家庭の医学] - メディカルiタウン


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病気事典[家庭の医学]

しょうにきゅうせいはっけつびょう

小児急性白血病

小児急性白血病について解説します。

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どんな病気か

白血病は、血液のがんといわれ、血液細胞がつくられる過程でがん化して無秩序に増殖する病気です。血液細胞には、赤血球、白血球、血小板がありますが、いずれの未熟細胞もがん化すると白血病と呼ばれます。

白血病は、最も頻度が高い小児がんで全体の3分の1を占め、そのうち95%が急性白血病です。

小児の急性白血病は、4分の3が急性リンパ性白血病(ALL)で、4分の1が急性骨髄性(こつずいせい)白血病(AML)です。両者に分類されない混合型や分類不能型の白血病もわずかにあります。

急性リンパ性白血病は2~6歳に好発しますが、急性骨髄性白血病は年齢のかたよりがありません。

原因は何か

放射線被爆、遺伝的素因、ごく一部にウイルス感染が原因となりますが、多くの場合、原因は特定できません。しかし、白血病もほかのがんと同様に、遺伝子の傷が重なって発症することがわかっています。たとえば、乳幼児期の急性リンパ性白血病の多くは、白血病の発症に関わる遺伝子異常が胎児期に起こります。乳児期の急性リンパ性白血病は胎児期に白血病化しますが、幼児期の急性リンパ性白血病は、さらに生後に第2の遺伝子異常が加わって白血病になると考えられています。

症状の現れ方

発熱、顔色不良、出血傾向(紫斑(しはん)、鼻出血(びしゅっけつ)など)など、正常の造血能力が損なわれるために起こる症状が主です。その他、骨痛、関節痛、リンパ節腫大など白血病細胞の浸潤・増殖による症状もしばしば認められます。

検査と診断

多くの場合、血液検査で貧血や血小板減少がみられます。白血球数が増加して血液像で白血病細胞を認めることもしばしばです。

診断は骨髄(こつずい)検査(穿刺(せんし)または生検・コラム)で行います。また、白血病の病型を診断するために、骨髄塗抹標本の特殊染色や骨髄血の免疫学的マーカー検査、染色体検査、遺伝子検査を行います。

形態学的分類は、FAB分類が用いられ、急性骨髄性白血病ではM0からM7まで8段階に分類されます。免疫学的マーカーによる分類では、成熟B細胞性、前駆B細胞性、T細胞性、骨髄性、混合型、分類不能型に分かれます。染色体や遺伝子の異常による分類では、フィラデルフィア(Ph)染色体(9;22転座)、12;21転座、8;21転座、16逆位、MLL遺伝子再構成など数多くの特異的病型があります。

治療の方法

抗がん薬による化学療法が第一選択ですが、急性リンパ性白血病と急性骨髄性白血病では有効な薬剤の組み合わせが違うため、治療戦略が異なります。急性リンパ性白血病のなかでも、成熟B細胞性はリンパ腫に準じた治療が標準的です。

難治例や再発例では、骨髄移植などの造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)移植(SCT)が治療の選択肢となります。

(1)急性リンパ性白血病(ALL)

図6に治療選択のアルゴリズム(手順)を示します。

小児の急性リンパ性白血病は、現在では90%が治癒可能になっており、そのうち70%以上は化学療法のみで治癒します。残りの20%弱は、造血幹細胞移植を併用して治癒します。

造血幹細胞移植は化学療法よりも晩期合併症が高頻度で起こるため、化学療法で治りにくい患者さんに限られます。そのため、初発時に病気の治りやすさを的確に予測して、長期生存予測率と治療毒性のバランスを考えて治療法を選択します。

このような治療の層別には、主要な予後因子(病後の経過を予測する指標)を組み合わせたリスク分類が用いられます。急性リンパ性白血病では、初診時の年齢、白血球数、白血病細胞の遺伝学的特徴(染色体や遺伝子の異常)、治療反応性、微小残存病変(MRD)が重要な予後因子になります。

これにより、標準リスク(標準的治療で治癒が期待できるタイプ)、中間リスク(標準的治療では治りにくく強化した治療が必要なタイプ)、高リスク(さらに強化した治療が必要なタイプ)に区別し、治療強度を変えます。

高リスクの一部は造血幹細胞移植が適用されます。乳児白血病の85%を占めるMLL遺伝子再構成陽性例、フィラデルフィア染色体陽性例、治療を始めて1カ月たっても寛解(かんかい)に到達しない例などがそれに該当します。

急性リンパ性白血病の治療は、寛解導入療法、中枢神経系予防療法、強化療法、維持療法で構成されます。

・寛解導入療法

寛解とは、正常に血液がつくられていて、骨髄中の白血病細胞が5%未満の状態をいいます。寛解導入療法を行うと、1カ月後に95%以上の患者さんが寛解に到達します。使用する薬剤は、主にビンクリスチン、ステロイドホルモン(プレドニゾロン、デキサメタゾン)、アントラサイクリン(ダウノルビシン、ピラルビシン)、L‐アスパラギナーゼです。

・中枢神経系予防療法

中枢神経系、すなわち脳と脊髄(せきずい)は、白血病が浸潤(しんじゅん)しやすい場所です。これに対して特別に予防療法を行うことが、白血病を治すのに重要であることが歴史的に示されています。

その方法には、脳脊髄腔内にメトトレキサートなどの治療薬注入(髄注)、メトトレキサート大量療法、頭蓋放射線照射などがあります。このうち、頭蓋放射線照射は最も確実な方法ですが、成長障害、神経内分泌障害、二次性がんなど晩期合併症の原因となるため、最近では中枢神経系で再発しやすい一部の症例を除いて行われません。

・強化療法

これには、地固め療法と再寛解導入療法とがあります。地固め療法は、シクロホスファミド(エンドキサン)、シタラビン(キロサイド)などの薬剤によって、寛解導入療法後に残った白血病細胞を根絶することを目的としています。

再寛解導入療法は、寛解導入療法の終了から3カ月以降に、寛解導入療法と同じ薬剤を用いて行うものです。

強化療法はいずれのリスクにおいても有用ですが、その強度と期間はリスクによって異なります。

・維持療法

メトトレキサートと6‐メルカプトプリンの内服が基本です。主に通院で行われます。

これらの化学療法の治療期間は通常2~3年間です。ただし、造血幹細胞移植を行う場合は、一般的に維持療法はなく、移植で治療終了になります。

(2)急性骨髄性白血病(AML)

図7に治療選択のアルゴリズムを示します。

小児の急性骨髄性白血病は、シタラビン、アントラサイクリン(ミトキサントロン、イダルビシン)、エトポシドの3種類を基本薬とした強力な化学療法を行います。難治例や再発例には造血幹細胞移植が適用されます。その結果、全体で70%を超える長期生存率が期待できます。

ダウン症に伴う急性骨髄性(きゅうせいこつずいせい)白血病はM7が多く、通常の化学療法では毒性が強く、比較的弱い治療が有効であることから、また、急性前骨髄球性(ぜんこつずいきゅうせい)白血病(M3)はオール・トランス・レチノイン酸(ATRA)が特異的に有効であることから、それぞれ独自の治療法が用いられます。その他の急性骨髄性白血病は、予後因子となる染色体や遺伝子の異常の有無と1コースの化学療法での寛解到達の有無によって低リスク、高リスク、どちらにも属さない中間リスクに層別して治療されます。高リスクには、造血幹細胞移植が適用されます。

急性骨髄性白血病の治療は、寛解導入療法と強化療法からなり、維持療法の有用性は明らかではありません。また、中枢神経系予防療法として、強化療法時に髄注が行われます。治療期間は6~10カ月です。

病気に気づいたらどうする

白血病の疑いがある場合や確定した場合は、すみやかに専門施設で診断・治療を受けてください。日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)は、日本を代表する、全国の小児白血病専門施設が参加する研究組織です。

関連項目

「子どもの病気」白血病

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