病気事典[家庭の医学]
じんせいとうにょう
腎性糖尿
腎性糖尿について解説します。
執筆者:
埼玉医科大学名誉教授・同大学かわごえクリニック院長
片山茂裕
腎性糖尿の解説(コラム)
糖尿病は英語ではdiabetes mellitusといい、「甘い尿」という意味です。したがって、尿に糖が出る病気ということになります。しかしながら、尿に糖が出ても、糖尿病でない場合もあります。
一般的には、血糖値が180mg/dLを超えていると、尿に糖が排泄されます。この値を境目の値ということで、閾値(いきち)といいます。この閾値が生まれつき低い人がいます。こういう人では、食後にわずかに血糖値が上がって130とか140mg/dLになっただけでも、尿に糖が排泄されます。
腎臓の閾値の異常のために尿に糖が出るということで、「腎性糖尿(じんせいとうにょう)」と呼ばれます。しかしながら、この場合には、糖尿病の患者さんのような高血糖はなく、糖尿病ではありません。妊娠中にも、女性ホルモンなどの影響で閾値が低下し、血糖値がそんなに高くなくても、尿に糖が出ることが知られています。
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