病気事典[家庭の医学]
ふくじんひしつすてろいどやく
副腎皮質ステロイド薬
副腎皮質ステロイド薬について解説します。
執筆者:
弘前大学大学院医学研究科内分泌代謝内科学助教
崎原 哲
副腎皮質ステロイド薬の解説(コラム)
一般に副腎皮質ステロイド薬と呼ばれるものは、糖質コルチコイド作用をもつ薬剤で、血糖を上昇させる作用、脂肪や蛋白を分解する作用、炎症や免疫を抑える作用、血圧を上昇させる作用などさまざまな生理作用をもちます。このため、抗炎症作用や免疫抑制作用を期待して、喘息(ぜんそく)、アトピー、関節炎をはじめ、さまざまな病気の治療に利用されます。
ステロイド薬の効果は強力ですが、副作用も多く、慎重に使わなければなりません。副作用は糖尿病、感染症、胃潰瘍、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、精神症状、高血圧などさまざまです。また、大量に長期間ステロイド薬を使った場合は、副腎が萎縮(いしゅく)してしまっているため、急に使用を中止すると急性副腎不全を起こすので危険です。医師の指示に従い、少しずつ減らしていく必要があります。
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