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病気事典[家庭の医学]
けつえきちゅうのかるしうむ
血液中のカルシウム
血液中のカルシウムについて解説します。
執筆者:
帝京大学ちば総合医療センター第三内科准教授 井上大輔
血液中のカルシウムの解説(コラム)
血液中のカルシウム濃度は、8・6〜10・4mg/dLという比較的狭い範囲に維持されています。しかし、通常測定しているのは総カルシウム濃度であり、このうち約半分は主にアルブミンなどの血液中の蛋白に結合していて、残りの半分が遊離カルシウムイオンとして存在します。体内での作用に重要な役割をもっているのは、後者の遊離カルシウムです。
血液中のアルブミン濃度が低下している場合(4未満)、遊離カルシウムが正常でも結合型が少なくなるため、見かけ上、総カルシウム濃度としては低くなります。このような見かけ上の低カルシウム血症では遊離カルシウム濃度は正常であるため、まったく問題ありません。したがって、血液中のカルシウム濃度を評価する場合、必ずアルブミンを測定し、低下している場合にはその分カルシウム濃度を補正する必要があります。一般の臨床では、次のような補正式が用いられています。
補正カルシウム濃度(mg/dL)=実測カルシウム濃度(mg/dL)+(4−アルブミン(g/dL))
総カルシウム濃度の測定結果が低値でも、同時に低アルブミン血症がある場合、右の補正式で補正した値が正常であれば、カルシウム代謝の異常ではありません。
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