病気事典[家庭の医学]

びたみんえーかじょうしょう

ビタミンA過剰症

ビタミンA過剰症について解説します。

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どんな病気か

欠乏症の項で説明したように、ビタミンAは脂溶性(しようせい)のビタミンです。水溶性ビタミンは過剰に摂取したとしても尿として体外に排泄されますが、脂溶性ビタミンは体内に蓄積されるので、過剰摂取による副作用が出てきます。

症状の現れ方

ビタミンAの1日所要量は成人で1800~2000国際単位ですが、大量に摂取した場合の急性中毒としては、悪心(おしん)、嘔吐(おうと)や頭痛といった脳圧亢進(のうあつこうしん)症状のほかに、皮膚の剥離(はくり)や顔面の紅潮が生じます。慢性中毒としては、体重の減少、食欲不振、四肢の疼痛(とうつう)性腫脹(しゅちょう)、頭蓋骨の変形、微熱、脱毛、甲状腺機能低下(こうじょうせんきのうていか)や肝障害などさまざまな症状がみられます。

また、ビタミンAの副作用として催奇形性(さいきけいせい)が知られており、妊娠初期(1~3カ月)や妊娠を希望する女性は注意する必要があります。

とくにビタミンAによる奇形の発症率は、1日あたりの摂取量が5000国際単位以上で1・3%、1万5000国際単位以上で3・0%という報告があるので、妊婦の1日のビタミンA摂取量は、多くとも5000国際単位以内にとどめることが望まれます。

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