病気事典[家庭の医学]
まぎらわしいねんてんしょう
まぎらわしい捻転症
まぎらわしい捻転症について解説します。
執筆者:
神奈川県立がんセンター泌尿器科医長
岸田 健
まぎらわしい捻転症の解説(コラム)
精巣には精巣垂(せいそうすい)、精巣上体には精巣上体垂(せいそうじょうたいすい)と呼ばれる2〜3mmぐらいの突起が上部についています。これは胎生期の遺物で機能はまったくなく、不必要な器官です。
ところが、この部分がねじれて精索捻転(せいさくねんてん)症と同様な症状を示すことがあるのです。幼少時に多くみられます。
陰嚢(いんのう)の一部に青くはれあがった精巣垂、精巣上体垂が透(す)けて見えること(ブルードットサイン)があります。痛みは徐々におさまりますから、診断が確定すれば様子をみてかまわないのですが、多くは精索捻転症と区別が困難で、手術して初めてわかることが多いようです。
精巣垂や精巣上体垂が捻転していた場合は、必要のない器官ですから切除してしまいます。とくに後遺症が残ることはありません。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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