病気事典[家庭の医学]
いせいとむせい
遺精と夢精
遺精と夢精について解説します。
執筆者:
東神奈川駅ビル内科・泌尿器科院長
齋藤和男
原因は何か
夢精は、睡眠中に性的な夢やオルガズムを伴い勃起(ぼっき)後に射精してしまうことです。時には、夢やオルガズム、勃起を伴わないこともあります。13~16歳の青年期によくみられる現象で、病気ではありません。
夢精は、青年期では精液の成分をつくっている精嚢腺(せいのうせん)や前立腺(ぜんりつせん)が分泌液を大量に作るため、自律神経を介する射精反射が起こることが原因と考えられています。とくに夜間は、膀胱が尿で充満するため、これに接している精嚢腺(せいのうせん)や前立腺(ぜんりつせん)が圧迫されて夢精が発生すると考えられています。マスターベーションの回数が少ない人は夢精の頻度が多くなることが知られています。
遺精も、何らかの性的刺激により起こる場合は病気とは考えられません。しかし、1日に2~3回以上あり、勃起や性感を伴わない場合は病気です。原因として、神経衰弱、精神興奮状態時、脊髄(せきずい)神経疾患でみられることがあります。
なお、いわゆる射精症は性欲倒錯症(せいよくとうさくしょう)の一種であり、異性に汚物を投げかけて性欲を満足させる病気で、遺精とは違います。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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