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病気事典[家庭の医学]
にゅうぼうがいぱじぇっとびょう
乳房外パジェット病
乳房外パジェット病について解説します。
執筆者:
社会保険中央総合病院大腸肛門病センター部長 山名哲郎
乳房外パジェット病の解説(コラム)
パジェット病(ページェット病)は、アポクリン腺管の上皮から発生し、表皮に移動した細胞(パジェット細胞)が真皮内で悪性化したものです。乳房に最も多くみられますが、乳房以外にも肛門周囲、大陰唇(だいいんしん)、陰茎(いんけい)、陰嚢(いんのう)、鼠径部(そけいぶ)、腋窩(えきか)にみられることがあります。
肛門周囲のパジェット病は非常にまれで60代や70代に多く、境界が比較的はっきりした紅斑や湿疹のようにみえ、時に落屑様(らくせつよう)(皮膚がぽろぽろむける)のこともあります。
症状はしつこいかゆみが出ることが多く、肛門掻痒症(こうもんそうようしょう)(肛囲湿疹(こういしっしん))と似ていることから、パジェット病の診断が遅れることがしばしばあります。またボーエン病(コラム)と同様に、しばしば内臓の悪性腫瘍を合併することがあります。
診断は、生検で特徴的なパジェット細胞を見つけることにより確定します。パジェット細胞はムコプロテインを含んでおり、これを染める特殊な染色法を行って診断します。
治療は局所切除が行われます。切除範囲が広範囲に及ぶ場合は、皮膚移植が行われる場合もあります。皮下組織に浸潤した病変では、直腸切断術が行われます。局所に限局したものの予後は良好ですが、肝臓や肺、骨などに転移すると予後は不良です。
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