病気事典[家庭の医学]

しょくどういぶつ

食道異物<のどの病気>

食道異物<のどの病気>について解説します。

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食道異物<のどの病気>の解説(コラム)

 食道にひっかかった異物は通常、食道直達鏡(しょくどうちょくたつきょう)という筒状の器械を口から挿入して摘出します。

 さまざまなものが食道異物となりますが、ここでは代表的な異物とその注意点について述べます。

硬貨異物

 小児の食道異物では最も多いものです。摘出は容易なことが多いのですが、まれに2枚以上の硬貨がひっかかっていることがあります。硬貨を数枚飲んだ可能性のある場合には、必ず医師に伝えておくべきでしょう。

ボタン電池異物

 近年、小型でボタン形の電池が普及していますが、これが食道に長時間とどまっていると、粘膜が腐食されて大変危険です。食道に穴があいて死に至った報告もありますので、できるだけ早く摘出しなければなりません。

魚骨(ぎょこつ)異物

 中高年層に多い異物ですが、通常のX線写真には写らず、診断をつけるのが難しい場合も少なくありません。骨の先が粘膜に刺さって感染を起こすこともありますので、診断がつかなくても食道直達鏡を挿入して、異物がひっかかっていないかどうかを調べることもあります。

PTP異物

 PTPとは、錠剤やカプセル剤を包装したパッケージで、指で押し出して薬を取り出すものです。高齢社会になり薬を長期に服用する人が増えるにつれ、薬と間違えてPTPをうっかり飲んでしまう事故も増えています。

 薬をのむ量を間違えないように、PTPのシートを1錠分ごとに切り分けることがありますが、これはPTPを誤って飲む可能性を高めることになってしまいます。

義歯(ぎし)異物

 先がとがって形も複雑な義歯は、食道直達鏡で無理やり摘出しようとすると、食道粘膜を傷つけてしまいます。義歯異物の場合は、頸部(けいぶ)を切開して摘出しなければならないことも少なくありません。

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