病気事典[家庭の医学]
せいたいぽりーぷ
声帯ポリープ
声帯ポリープについて解説します。
執筆者:
防衛医科大学校耳鼻咽喉科学教授
塩谷彰浩
原因は何か
一過性の声の乱用が原因といわれています。カラオケ、怒鳴り声、演説などの急激な発声が誘因となり、声帯粘膜の血管が破れて内出血を起こし、ポリープを形成するという説が有力です。
治療の方法
声帯ポリープができたばかりの時(新鮮例)は、自然に消えてなくなる可能性もあります。また、消炎薬の投与やステロイドホルモンの吸入治療により、ポリープがなくなることもあります。しかし、これらの治療に反応しない時はポリープを切除する手術が必要になります。
手術は、一般的には入院のうえ、全身麻酔をかけ、喉頭顕微鏡下手術(ラリンゴマイクロサージェリー)として行われます。全身麻酔が不可能な場合や、入院を希望しない場合などは、外来でファイバースコープを用いて摘出することもあります。また、この手術のあとには声帯の傷の安静のために、1週間前後の沈黙期間を要します。
声帯ポリープは悪性化はしませんが、まれにポリープのような外観のがんがあるので、摘出されたポリープは病理組織検査で、悪性化の有無をチェックします。
病気に気づいたらどうする
声をなるべく使わないようにして、のどの安静を心がけます。それでも2週間で改善しなければ、耳鼻咽喉科を受診してください。喉頭がんなどの他の疾患がないかどうか確かめます。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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