病気事典[家庭の医学]
まんせいこうとうえん
慢性喉頭炎
慢性喉頭炎について解説します。
執筆者:
防衛医科大学校耳鼻咽喉科学教授
塩谷彰浩
原因は何か
急性喉頭炎の反復、あるいは上気道や下気道からの炎症の波及、とくに副鼻腔炎(ふくびくうえん)の後鼻漏(こうびろう)(蓄膿症(ちくのうしょう)のうみが鼻からのどに垂れてくること)が原因になります。塵埃(じんあい)や刺激ガスに慢性的にさらされる職業や、のどを酷使する職業も原因になります。また、喫煙習慣による慢性喉頭炎も多くみられます。
検査と診断
間接喉頭鏡検査や喉頭ファイバースコープ検査で喉頭を観察し、喉頭粘膜の発赤、浮腫(むくみ)などを確認することにより容易に診断できます。しかし、慢性喉頭炎と似た症状を示すものに喉頭がん、喉頭結核(けっかく)、声帯ポリープなどがあり、これらの疾患と区別することも重要です。とくに、ヘビースモーカーの人は喉頭がんとの区別が必要です。
治療の方法
まず、原因の除去が大切です。上気道炎や下気道炎が原因であればその治療、喫煙が原因であれば禁煙、塵埃・のどの酷使などが原因であればそれらへの対策や生活環境の改善が必要です。
薬物治療は症状が強い場合や急性の増悪が認められた時に行いますが、消炎薬、鎮咳(ちんがい)薬、抗生剤の経口投与や抗生剤、ステロイドホルモンなどのネブライザー吸入が行われます。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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