病気事典[家庭の医学]
いんこうとういじょうかんしょう
咽喉頭異常感症
咽喉頭異常感症について解説します。
執筆者:
東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教授
加藤孝邦
原因は何か
咽頭に異常感を感じさせる疾患(原因)は数多くありますが、主に3つに大別できます。それは(1)局所的原因、(2)全身的原因、(3)精神的原因です。
(1)局所的原因にはのどや鼻・副鼻腔(ふくびくう)、喉頭(こうとう)、咽頭(いんとう)、食道・胃、気管・気管支などの軽い炎症性疾患、およびアレルギー性鼻炎を代表とする鼻や喉頭・気管の過敏症、また甲状腺(こうじょうせん)疾患、咽頭・喉頭・口腔の早期がんや良性腫瘍など腫瘍性病変、さらに形態異常による舌根肥大症(ぜつこんひだいしょう)、茎状突起過長症(けいじょうとっきかちょうしょう)、頸椎(けいつい)の変形などがあります。近年、逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)の関与が注目されています。
(2)全身的原因となる疾患としては自律神経失調症、内分泌異常、更年期障害、鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)、嚥下(えんげ)障害などいろいろな疾患があります。
症状の現れ方
多くはのどに何かがつかえる感じを訴えます。嚥下運動を行った時で、唾(つば)などを飲み込んだ時がほとんどです。しかし、食事や水などの液体を飲んだ時にはその症状を感じません。
検査と診断
原因・要因はさまざまなため、すべての検査を行うことはできません。耳鼻咽喉科的診察と鼻腔・喉頭のファイバースコープ(内視鏡)検査、頸部(けいぶ)の触診などを行います。疑われる原因を選別してから血液検査、CTなどの画像検査、食道・胃ファイバースコープ(内視鏡)検査、心理テストなどを追加して行います。
病気に気づいたらどうする
症状が続き、心配していても改善しない時は、耳鼻咽喉科を受診して、異常のないことを確認してもらうと早くよくなります。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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