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病気事典[家庭の医学]
べーちぇっとびょうにちゅうい
ベーチェット病に注意
ベーチェット病に注意について解説します。
執筆者:
北海道大学大学院歯学研究科口腔診断内科学教授 北川善政
北海道大学大学院歯学研究科口腔診断内科学講師 山崎 裕
ベーチェット病に注意の解説(コラム)
ベーチェット病は、(1)口腔粘膜の再発性アフタ、(2)皮膚病変(結節性紅班(けっせつせいこうはん))、(3)眼病変(網膜(もうまく)ぶどう膜炎(まくえん)など)、(4)外陰部潰瘍(がいいんぶかいよう)の4つを主症状とする慢性再発性の全身性炎症疾患です。最近ではこれらの一部しか発症しない症例が増加しています。そのほか、血管、中枢神経、消化器の病変によって重い全身症状が生じることがあります。日本、韓国、中国、中近東、地中海沿岸地域などシルクロード沿いの国に好発するため、シルクロード病ともいわれます。
日本では従来、男性に多いとされていましたが、最近の調査ではほとんど性差はないものの、男性のほうが重症化しやすく、とくに若年発症の場合は失明する例もみられます。
ベーチェット病では、口腔の再発性アフタがほぼ必発(98%)で、初発症状であることが多く(60%)、その後、前述の症状が徐々に揃ってベーチェット病の診断基準を満たし、再発を繰り返して慢性化するという経過をたどります。慢性再発性アフタと、ベーチェット病でみられる再発性アフタは区別がつかないため、アフタが再発を繰り返す場合は定期的に経過をみてもらうとよいでしょう。
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