病気事典[家庭の医学]
りゅうるいしょう
流涙症
流涙症について解説します。
執筆者:
大阪市立総合医療センター眼科部長
森 秀夫
流涙症の解説(コラム)
涙液は常に少量(毎分1〜2μL、毎時0・1mL程度)分泌されています。これを基礎分泌といいます。
眼に何らかの病気があったり、眼を刺激する気体や蒸気・臭いがあったり、全身(とくに頭頸部(とうけいぶ))に疼痛があったりすると分泌量は増加します(症候性・反応性分泌)。また、いうまでもなく、精神的苦痛・悲しみ、時には喜びなどの情動でも分泌は増加します(情動性分泌(じょうどうせいぶんぴつ))。
流涙症とは、涙がまぶたからあふれ出す状態ですが、症候性分泌ならば原因となっている眼病を治療しないといけません。反応性分泌や情動性分泌は眼の病気ではないので、ここではふれません。
これらと異なり、泣いてもいないし痛みもない状態で(基礎分泌)、常に涙が出るのは鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)によるものです。ただ、鼻涙管閉塞があっても基礎分泌が低下している場合は、流涙は起こりません。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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