病気事典[家庭の医学]
すいしょうたいだっきゅう、あだっきゅう
水晶体脱臼、亜脱臼
水晶体脱臼、亜脱臼について解説します。
執筆者:
兵庫県立尼崎病院眼科部長 喜多美穂里
大津赤十字病院眼科副部長 松本美保
どんな病気か
水晶体は、チン氏帯と呼ばれる細い糸によって眼球壁に固定されています。眼球を 打撲 したり、チン氏帯に細かい粉が蓄積する性質の人や、全身の病気と関係してチン氏帯が弱い人などでは、チン氏帯の一部が切れてしまうことがあります(亜脱臼)。すると、その部分で水晶体の支えがなくなるので、固定が不安定になります。この場合、 白内障 手術は難易度が高くなります。
手術中に水晶体が眼底に落下することもあります。また、最初から全周のチン氏帯が切れていることもあります(脱臼)。どちらの場合も、完全に落下した水晶体とその周囲にある硝子体(しょうしたい)を取り除く必要が生じ、大掛かりな手術になります。眼内レンズも通常の入れ方ができないので、眼球壁に縫いつける方法で固定します。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
|
執筆者一覧
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。