病気事典[家庭の医学]
かくまくえん
角膜炎
角膜炎について解説します。
執筆者:
鳥取大学医学部視覚病態学教授
井上幸次
どんな病気か
角膜炎というのは、黒目の表面の角膜で炎症が起こった状態の総称なので、実際にはこの「角膜と強膜(きょうまく)の病気」で述べるいろいろな病気が含まれています。しかし、眼科に行った時は「あなたは角膜炎です」とおおまかにいわれる場合もよくあるので、「角膜と強膜の病気」の最初の項目として解説します。
検査と診断
角膜の病気の診断に役立つ情報の8~9割は、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡(スリットランプ)検査によって得られます。
スリットランプは、眼に細いスリット状の光を当ててその反射を顕微鏡で拡大してみることによって、眼球のいろいろな組織の細かい状態を調べることのできる器械です(図23の写真はスリットランプでスリットを当てて撮影されたもの)。
これと、視力検査・眼圧検査は、角膜の病気を調べるにあたって必ず行われると思ってよいでしょう。
以下の「角膜と強膜の病気」の各項目では、この3つの検査は除いて、それ以外にどのような検査が行われるかを述べます。
病気に気づいたらどうする
当然のことながら、眼科専門医の診察を受けてください。一般に眼の病気の状態は、自分ではなかなかわかりにくく、同じような症状でも原因によって治療は異なるので、くれぐれも自己治療はしないようにしてください。
また、角膜の病気では、コンタクトレンズを使用している人は中止することが一応大原則なので、そのように心がけてください(ただし、眼科で角膜の病気に対して治療目的の保護用のコンタクトレンズを使用することはある)。
以上の諸注意は、以下の「角膜と強膜の病気」の各項目に共通するので、個々の項目ではすべて省略しています。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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