病気事典[家庭の医学]

みえにくいをぶんせきしてみよう

「見えにくい」を分析してみよう

「見えにくい」を分析してみようについて解説します。

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解説(概論)

人の眼は2つあり、これが脳の眼球運動に関する中枢のコントロールの下に、いつも同じところに向くようにできています。このシステムが作動しなくなると、物が二重に見えるようになります。この場合も、いつから、どんな時に(夕方、起床時、いつでも)、どちらを向いた時に症状が強くなるかなど、自問すると診断の手助けになります。

二重に見える原因が、眼を動かす筋肉やその支配神経にある場合と、脳・中枢障害にある場合を区別する必要があります。物が揺れて見えないか、めまいを伴うか、眼を閉じるとめまいが消えるかどうかも大切な情報です。人によっては「ボンヤリと見える」ことを「二重、三重に見える」と形容することがありますが、これは本当の二重視ではありません。本当の二重視は両眼で見た時にのみ起こります。

このように「眼は動く感覚器である」ことを知っておくことは、眼の障害を診断する時にとても大切です。眼の瞳孔(どうこう)も動く眼内装置です。強い光が来た時や近くの物を見る時に瞳は自動的に小さくなります。左右の瞳は連動しているので、同じ大きさ、同じ色をしているのが正常です。緑内障(りょくないしょう)の発作や動眼神経麻痺(どうがんしんけいまひ)などで、瞳孔のサイズや運動に異常がみられるようになります。ある種の点眼薬によっても瞳孔運動が影響されますが、それを承知のうえで原因疾患、たとえば緑内障を治療することがあります。

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