病気事典[家庭の医学]

そくかんせつかつえきほうえん

足関節滑液包炎

足関節滑液包炎について解説します。

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どんな病気か

足関節(足首の関節)の前方にある滑液包に炎症がおこり、はれや痛みを生じる病気です。

原因は何か

滑液包は関節の周囲の骨と関節の間など、大きな動きが必要な場所にできる袋状の潤滑装置で、内側には通常でも少量の滑液が入っています。滑液包に過剰な摩擦や圧迫が加わると炎症が起こって痛みが生じ、滑液の分泌量が多くなり滑液包のなかに過剰な滑液がたまります。

また、炎症が続くと滑液包自体が肥厚(ひこう)してきます。足関節滑液包は足首の前方にあり、正座や足首の前の部分をこする動作を続けることで、足関節滑液包炎が起こることがあります。

症状の現れ方

正座や足首の前の部分をこする動作で、足首の前に痛みが起こります。炎症が強く滑液がたくさんたまると、こぶのようにはれることもあります。

検査と診断

診断は、はれや痛みの部位などの診察で行います。通常はX線検査では異常がありません。

治療の方法

まずは、正座や足首の前の部分をこする動作を避けます。滑液がたまり、はれと痛みを生じている場合には、注射器で滑液を除去します。炎症が強い場合には、抗炎症薬であるステロイド薬の注射を行います。必要に応じてサポーターや包帯を用いて局所を圧迫します。

このような治療を行っても症状が改善しない場合には、滑液包を切除する手術を行う場合もあります。

病気に気づいたらどうする

正座や足首の前の部分をこする動作を日常的に行う人で、足首の前に痛みとはれがある場合には足関節滑液包炎の可能性もありますので、整形外科の受診をすすめます。

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