病気事典[家庭の医学]
たはつせいきんえんのひしん
多発性筋炎の皮疹
多発性筋炎の皮疹について解説します。
執筆者:
国立病院機構箱根病院院長
石原傳幸
多発性筋炎の皮疹の解説(コラム)
多発性筋炎に皮疹を伴えば、皮膚筋炎(ひふきんえん)と診断されます。
皮疹として最も有名なものはヘリオトロープ疹です。これは、両側または片側のまぶたに現れる紫紅色の浮腫性紅斑(ふしゅせいこうはん)です。手指関節の背面にみられる紫紅色の扁平丘疹(へんぺいきゅうしん)は、ゴットロン徴候と呼ばれます。また、肘や膝関節の伸側表面の紅斑なども皮膚筋炎に特徴的です。これらの皮疹だけで皮膚筋炎と診断可能です。
なかには、これらの皮疹だけあって筋症状のない患者さんがみられ、筋生検を行っても異常所見がなく、診断に苦慮することもあります。このような現象は病気の経過の一断面であって、やがては筋症状も発症するものと考えられています。
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