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脳血管性認知症 病気事典[家庭の医学] - メディカルiタウン


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病気事典[家庭の医学]

のうけっかんせいにんちしょう

脳血管性認知症

脳血管性認知症について解説します。

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どんな病気か

脳卒中脳血管障害)によって神経組織が壊れて、その結果認知症が現われるものをいいます。認知症のうち半分がアルツハイマー病で、3分の1が脳血管性認知症、後で説明するレビー小体型認知症が10%余りです。

主に60歳以後に現れますが、アルツハイマー病に比べて男性に多いようです。

原因は何か

(1)多くは、脳の太い血管(皮質性)や細い血管(皮質下性)が詰まり(梗塞)、酸素が運ばれなくなり、神経細胞やそこから出る神経線維が壊れて認知症になります。

(2)脳血管が破れた脳出血の後遺症(脳出血性)として、認知症になることもあります。

(3)脳の海馬や視床(ししょう)といった記憶に関係する部位(限局病変型)に脳卒中が起きて認知症になることもあります。

また、(4)脳の血の巡りが悪く(低潅流(ていかんりゅう)型)認知症になることもあります。

もともと、高血圧糖尿病脂質異常症(コレステロール値の高い人)、膠原病(こうげんびょう)(関節リウマチなど)、血液が固まりやすい人、ストレスに弱い人、喫煙者には、脳卒中がよく起こります。そこで、これらを脳血管性認知症の危険因子と呼びます。

症状の現れ方

アルツハイマー病とよく似た症状が現れますが、アルツハイマー病は徐々に悪くなるのに対し、脳血管性認知症は階段状に悪くなるとか、症状の動揺があるのが特徴です。

細い血管の梗塞による場合には徐々に進行します。また、記憶障害より運動障害や感情障害が目立ちます。

初期から歩行、嚥下(えんげ)、発語の障害が現れるため、パーキンソン病と似た加速歩行など、脳血管性パーキンソニズムの症状も出ます。元気なく、やる気のない抑うつ状態の人もあります。その場にそぐわない泣きや笑い(感情失禁)がみられる人もあります。

危険因子を探しだす検査

脳血管性認知症の検査と診断は、アルツハイマー病の項で掲げた図20のように行います。診断名よりも危険因子を探しだし、それに対処することがもっと大事です。危険因子検索のための検査が必要です。

高血圧:高血圧は、脳血管性認知症の最も大きな危険因子です。家庭で血圧を測って、正常の範囲に保つことも重要です。高血圧になると動脈硬化が進行しますが、頸動脈の動脈硬化の程度を超音波のはね返り具合で測定する頸動脈エコーによる評価が簡便なので、すすめられます。

糖尿病・脂質異常症:糖尿病や血中脂質が高い人は脳の動脈硬化が高度で、脳卒中を起こし、脳血管性認知症になりやすいといえます。高血圧糖尿病脂質異常症は薬で抑えられますが、若い頃からの生活習慣の制御がより大事です。

血液凝固など:血液が固まりやすい人、膠原(こうげん)病、痛風、高ホモシステイン血症など脳卒中を起こしやすい人が検査によって発見された場合、これらの危険因子を取り除くことが重要です。

認知機能障害や行動・心理症状の評価はアルツハイマー病の項で述べたのと同じ方法で行います。

アルツハイマー病と脳血管性認知症を見分けるために脳のCTやMRIという画像検査により、脳血管障害の程度を検討します。ただ、脳血管障害があったからといって、アルツハイマー病を除外しないことが大切です。

治療の方法

図21で示したように、危険因子を探して、それを取り除くことが大切です。高血圧糖尿病脂質異常症などの疾患についての治療は、それぞれの項を参照してください。血液が固まりやすいため脳梗塞を起こした人は、抗血小板薬による脳血管障害の治療を参考にしてください(脳梗塞の「治療の方法」)。

興奮、怒りなど心理症状のある人にはクエチアピンなどの抗精神病薬や抑肝散などの漢方薬を短期間、慎重に投与することがあります。やる気が起こらない人にはニセルゴリン(サアミオン)などの脳代謝賦活薬が効果を示すこともあります。

病気に気づいたらどうする

脳卒中と診断されたら、危険因子を取り除いて認知症にならないように心がけることが大切です。脳血管性認知症の人でも危険因子を除くことにより、認知症の悪化を防ぐことができます。

脳血管性認知症の人は無気力・悲観的で、抑うつ傾向があるため、個々の人に適した対応が必要です。周囲の人が支えることで、孤独感、不安感、抑うつを解消してあげてください。

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