病気事典[家庭の医学]

じょせいのびょうきにかんするしょうじょう

女性の病気に関係する症状

女性の病気に関係する症状について解説します。

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解説(概論)

月経に関するものが最も多くみられます。すなわち月経が完全になくなる、不規則になる、量が増える、長引く、月経痛が強いといったものです。これらは月経の異常として一括して扱われることもありますが、おのおの異なった背景があり原因も大きく異なります。

とくに月経が遅れるとか長引くといったもののなかには妊娠に関係するものがあり、この場合は急に生命の危険が及ぶこともあるので、すみやかに専門医に相談しなくてはなりません。また多量の出血がある場合、それ自体が貧血やショックを起こすので急を要します。

おりもの(帯下(たいげ))の異常もよくみられる症状です。かゆみを伴うことも多く、最も多いのは腟炎(ちつえん)です。しかし時に子宮や卵管の悪性病変がひそんでいることもあります。とくに閉経後、いったん、おりものがまったくなくなってからおりものに気づいた場合は格別な注意が必要です。

異常な出血は大変気になりますが、閉経前か閉経後かでその原因はまったく異なります。閉経前の女性では、月経が長引くといった月経と関連した出血か、月経と無関係に起こっているかを区別することが肝心です。後者には子宮がんなどによる出血も含まれます。

閉経後の出血は、閉経後1〜2年以内であれば特別な異常がなくてもたまにみられます。しかし、閉経後5〜10年もたって出血をみる場合は、何か特別な原因があると考えたほうがよいでしょう。ただし、わずかに下着につくだけのようなものは、女性ホルモンの欠乏による腟炎が原因となっていることもあります。

下腹部の痛みは女性の病気でよくみられます。月経と関連するのか、突然発症したのか、激痛なのか、ほかに症状を伴うのかといった情報が重要です。

原因としては、子宮内膜症、骨盤内の炎症、子宮筋腫、卵巣腫瘍(らんそうしゅよう)が茎の部分でねじれた場合(茎捻転(けいねんてん))、卵巣出血、子宮外妊娠などさまざまなものがあげられます。

今まで経験したことがない下腹部痛の場合は、ただちに受診しましょう。血尿、排尿痛を伴う場合は膀胱炎(ぼうこうえん)や尿路結石(にょうろけっせき)などの泌尿器系の病気が考えられます。また、下痢、血便、便秘などの消化器症状があれば、婦人科の病気の可能性は低いといえます。

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