病気事典[家庭の医学]

あざとぼはんしょう

あざと母斑症

あざと母斑症について解説します。

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あざ(母斑(ぼはん))

あざとは、皮膚の色が周囲と比べて違って見える状態で、その色によって赤あざ、青あざ、茶あざ、黒あざなどと呼ばれます。このなかで皮膚の奇形として生涯のさまざまな時期に発生し、ゆっくり発育して皮膚の色や形の異常を認めるあざを、医学的に母斑と呼びます。

さまざまな母斑

局所的な血管の拡張や増殖によって、血液の色が皮膚をすけて赤く見えるあざを血管腫(けっかんしゅ)といいます。

青あざは皮膚のやや深い部分(真皮)にメラニン色素を産生する色素細胞が増えるために起こり、発生する場所や症状により蒙古斑(もうこはん)や太田母斑(おおたぼはん)などと呼ばれています。

茶あざは皮膚の表面(表皮)のメラニン色素が増加した状態で、扁平(へんぺい)母斑や思春期ごろに生じるベッカー母斑などに分類されます。また、レックリングハウゼン病にみられる茶あざをカフェオレ斑と呼びます。

黒あざは一般に「ほくろ」といわれるもので、メラニンを産生する細胞(母斑細胞)からなる良性腫瘍です。医学的には色素性母斑と呼ばれ、生まれつきあるものやそうでないもの、大きさも巨大なものから小さなものまでさまざまです。

治療の方法

あざの治療には、最近注目されているレーザーによるものから手術によるものなどがあります。治療には皮膚科や形成外科に受診します。

母斑症(ぼはんしょう)

母斑の存在とともに脳などの神経異常や、眼、骨、心臓、腎臓など全身性に生まれつきの病変を認める病気の総称で、神経皮膚症候群とも呼ばれます。

多くは先天性で、一部では原因となる遺伝子も証明されています。皮膚と神経が侵されることが多いですが、病気によって現れる症状は違い、また同じ病気でも個人や年齢によって症状が異なります。代表的なものとして結節性硬化症(けっせつせいこうかしょう)レックリングハウゼン病、スタージ・ウェーバー症候群などがあります。

治療は症状に応じたものとなり、現在のところ根治する方法はありませんが、てんかんに対して投薬したり、母斑を手術したりします。専門医の定期的な診察を受け、経過を観察することが重要です。

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