病気事典[家庭の医学]
てあしくちびょう
手足口病<子どもの病気>
手足口病<子どもの病気>について解説します。
執筆者:
高知大学医学部小児思春期医学教授
脇口 宏
原因は何か
夏かぜウイルスの仲間のコクサッキーウイルスA‐16、A‐10、エンテロウイルス71などが主な原因です。飛沫(ひまつ)、あるいは接触で感染し、潜伏期間は3~6日間です。
症状の現れ方
急に38℃台の発熱があり、続いて口の痛み、よだれ、食欲低下、手足の発疹がみられるようになります。発疹は3~5㎜の丘疹性紅斑に2~3㎜の楕円形の水疱を伴い、手のひら、手の甲、足底、足の甲、膝伸側部、臀部(でんぶ)などに現れます。熱は2~3日で下がり、発疹も3~4日で水疱が吸収され、アメ色に変化して治ります。よくみられる発疹性疾患の特徴を表19に示しました。
検査と診断
症状で簡単に診断できます。
発疹は体幹にも出ることがありますが、みずぼうそうと異なり手足が主体で、水疱は化膿せず、大きなかさぶたもできません。単純ヘルペスは局所的に集まり、左右対称的になることはありませんし、水疱は大きく、中央にくぼみがみられます。口のなかはヘルパンギーナと異なり臼歯より前部の頬(きょう)粘膜、口唇内側、舌にも出ますが、ヘルペス性歯肉口内炎のような歯肉のはれや発赤はありません。
病気に気づいたらどうする
熱や発疹が出ても元気なら、家で安静にして様子をみてください。水分がとれなくてぐったりしたり、頭痛や嘔吐があるようでしたら、小児科を受診してください。
熱が下がって子どもが元気になれば、学校や保育園に行かせてもかまいませんが、治ったあともしばらくの間は便のなかにウイルスが排泄されます。
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情報提供元 :
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