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病気事典[家庭の医学]
おーきゃく
O脚
O脚について解説します。
執筆者:
大阪府立母子保健総合医療センター整形外科主任部長 川端秀彦
症状の現れ方
歩行を開始したころに歩き方の異常として気づかれることが多い病気です。新生児期のO脚は正常であり、2歳までに急速に改善していきます(図32)。初めて歩いた時期が早いとO脚が重症化して、改善に時間がかかることがあるといわれています。
検査と診断
専門医の診察を受ける必要があるのは、
(1)明らかな左右差のあるO脚
(2)立位での左右の膝の距離が指4本分以上の重度のO脚
(3)2歳を過ぎて自然治癒しないO脚
の3つです。これらの場合は病気である可能性があるので、血液検査と膝蓋骨正面の立位下肢X線検査を受けてください。
区別すべき疾患に、くる病、骨系統(こつけいとう)疾患(先天性の骨の成長障害を呈する疾患群)、ブラウント病、骨折、靭帯(じんたい)損傷、感染、腫瘍などがあります。
くる病では血清リン値の低下、アルカリフォスファターゼ値の上昇を認めます。骨系統疾患、ブラウント病の診断にはX線検査が有用です。ブラウント病はO脚を来す原因不明の疾患で、X線で脛骨近位内側(けいこつきんいないそく)の骨幹端に嘴(くちばし)状の変化を認める進行性の病気です。また、年長児では骨折の変形治癒や骨髄炎後の成長障害、腫瘍性疾患の可能性もあり、注意を要します。
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