病気事典[家庭の医学]
たんしんしつ
単心室
単心室について解説します。
執筆者:
新潟大学医学部小児科学教室助教 長谷川聡
どんな病気か
全身や肺からもどってきたすべての血液がひとつの心室に入る状態です(図16)。痕跡的にもうひとつの心室が存在することもあります。機能している心室がひとつしかなく、そこから出る大動脈や肺動脈にもさまざまな特徴を伴います。後述する無脾(むひ)症候群に伴うことも多くみられます。頻度は全先天性心疾患の約2%です。
症状の現れ方
大血管の特徴により、肺の血流が増えるタイプと減るタイプに分かれます。前者は、乳児期早期から体重増加不良や多呼吸などの心不全症状がみられますが、チアノーゼ(皮膚や粘膜が紫色になること)は目立ちません。後者の場合は、早期からのチアノーゼが特徴的で、心不全症状は目立ちません。肺血流がちょうどよく調節されていると、目立った症状がみられない人もいます。
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情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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