病気事典[家庭の医学]

きゅうせいきかんしえん

急性気管支炎<子どもの病気>

急性気管支炎<子どもの病気>について解説します。

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どんな病気か

急性上気道炎(きゅうせいじょうきどうえん)症状(咳(せき)、鼻みず、発熱)に数日遅れて発症する湿性咳嗽(しっせいがいそう)(痰の絡(から)んだような咳)や発熱を伴う呼吸器疾患です。気管や気管支を中心に炎症が起こる下気道炎であり、小児から成人を通して最も一般的な呼吸器感染症(こきゅうきかんせんしょう)のひとつです。

原因は何か

原因の多くはウイルス性で、細菌感染はウイルス感染後の二次感染と考えられます。まずウイルス性上気道炎が先行し、上気道分泌物の下降や呼吸に伴う吸引、ウイルス感染の下気道への波及などにより、上気道炎症状が出てから3~5日後に気管支炎が発症します。

症状の現れ方

急性気管支炎の主な症状は、上気道炎症状に続く湿性咳嗽です。

上気道炎症状には、水様鼻汁、くしゃみ、咽頭痛、発熱などがあり、このような上気道炎症状に続き、呼吸器症状が次第に目立つようになります。呼吸器症状としては、強い咳(初期には乾いた咳であり、そのあと痰の絡んだような湿性咳嗽となる)、痰があり、小さい子どもでは、もともと気管支が細いことから喘鳴(ぜんめい)(息を吐く時に生じるゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音)を伴うことも多くなります。

ウイルスによる場合が多いのですが、いったん解熱したあとに再び発熱する、発熱期間が長い、全身状態が悪化してくるといった症状が認められる場合は、細菌感染の合併が疑われます。

検査と診断

咳を主とする呼吸器症状を示し、胸部聴診で呼吸音に混ざるぶつぶつ、ぱちぱちといった雑音を聴取し、強い咳や痰などの下気道の炎症症状がある場合には気管支炎や肺炎が疑われます。胸部単純X線写真上で浸潤(しんじゅん)陰影がみられない場合は、急性気管支炎と診断されます。

治療の方法

気道の浄化のためには、気管支拡張薬や痰を切りやすくする去痰薬が使用されます。鎮咳薬(ちんがいやく)は、百日咳などの激しい咳を伴う疾患で使用されることがあります。細菌感染の合併が疑われる場合には、抗菌薬が使用されます。

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